No Doubt

ジャニーズは心のエステです

2時間の初恋 × Shori

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火の花 × Shori - No Doubt のサイドストーリーです。

 

 

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親友「あーあ。今年こそ彼氏と来る予定だったんだけどなぁ。
浴衣の着付けだって完璧だし?って、聞いてる?」


親友とこの花火大会へ来るのも今年で6回目


「うん。聞いてるよ」

 


親友「彼氏、欲しくない?」

 


「欲しいけど…好きな人もいないし…現実的じゃないかなって」

 


親友「はいはい。相変わらず奥手って言うか」

 

 

夜空を切り裂いたかと思えば、一瞬にして大輪の花を描き、
観衆の視線を独り占めする

瞳を喜ばす夏の風物詩
毎年変わらぬ風景

 

 

ふと、斜め前のカップルに目が止まった
なぜなら、他のカップルとは明らかにその距離感が違う

彼氏と彼女…じゃないのかな
だとしたら友達…?

 
長い間止まっていた心臓を揺り動かすような轟音が鳴り響く
直後、暗闇にぱあっと浮かび上がったそのカップル(?)の青年

 

心に落ちたのは、本当に花火の音だったのか
落雷、だったのではないかと思うほどだ

 


「…綺麗」

思わず呟いた

 


その後は、夜空の演舞の記憶が薄れている
代わりに焼き付いているのは、

少女マンガから飛び出してきたような彼の美しい横顔
非現実的な理想の中にだけ生息しているような彼の姿だった

 


気が付くと、ぽたぽた、思いが零れていた

 


親友「えっ!何、どうしたの!?」


気付いた親友が慌てている


「綺麗だなぁって。感動しちゃって」

 


親友「今さら!?毎年見てるじゃん!?」

 


「そうなんだけど、なんか、今年は特別、だなって」

浴衣の袖で下瞼を拭った

 


「ごめんね。びっくりさせちゃったよね」

 


熱風がまとわりつく
あたりの雰囲気がガラッと変わる
夜空は佳境に差し掛かった


一つの花が散る前に、次の花、そしてまた次の花が、
間を置くことなく打ち上げられていく
重なった花々は、それぞれの境界がぼやけ、今までで一番大きな火の花となった


するとあのカップルの距離が近づいた
彼の手が彼女の背中に回されている

 

うまく行ったんだね…
幸せそうな二人の背中を直視できず、視線を落とした

 


親友「好きな人くらい作りなよ~来年は高校卒業なんだからね?」

 


「好きな人、いた」

 


親友「え!?だれ!?」

 


「名も知らぬ君、なんてね笑」

 


親友「はぁ?」

 

 


たった2時間の初恋は、火薬の残り香と共に星空へ吸い込まれた


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#ワンシーンLoveStory

火の花 × Shori

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ラストシーンに色とりどりの花が添えられる
それだけがせめてもの救いだ

 


勝「もう来ないかと思った。何度も連絡したのに」

 


「…ごめん。スマホ、家に忘れてきちゃったみたいで」

 


勝「こんな時に忘れるかね。会えなかったらどうしようかと思った」

 


だって…会いたくなかった
会わなければ、終わりも延期できると思った
でもそんなのは問題を先送りにするだけだよね

 


私たちは少しも目を合わせず、夜空を見続けている

 


「綺麗だね。付き合い始めた日もここで見たよね」

 

 

勝「うん、そうだね」

 
本題に差し掛からないように、自然と外堀をつつくような会話になる


遠距離になって1年
それぞれのコミュニティで過ごす時間が増え、二人の時間は減っていった

 

このまま自然消滅した方が傷つかないで済むんじゃないかと思ったけれど、
真面目な勝利のことだから、終わりはきちんとしたいのだろう

 

何度打ち上げても、結局勝利の心に咲けなかった私の気持ち

地鳴りを響かす大輪の花は、一歩一歩エンディングへと私たちを連れてく

 

愛しい横顔を見るのもこれで最後
瞳のシャッターを何度押しても、この瞬間はすぐに消えてなくなってしまう

 


「勝利…」

 


轟音にかき消されて、どうか彼の耳に届かないで

 


勝「うん…?」

 


終わりが来るなら、始まりたくなかった
でも打ち上がったら、もう元には戻れない

観念して私は口を開く

 

 

「楽しかったよ。付き合い始めてすぐ遠距離になっちゃったから、
あんまり一緒にいられなかったけど」

 


勝「……」

 


「来年、この景色に勝利は誰といるんだろ。嫌でも考えちゃうな…」

 


鼻につく火薬の香りは、別れの合図
熱風と嫌な緊張感で、ジトっと肌に張り付く浴衣


勝利…何か言ってよ…


その時、一瞬にして昼のように明るくなった

次々と火の花が打ち上げられては、夜空から零れ落ちる

クライマックスだ
つまり、まもなく終焉

 


勝「おんなじ、だよ」

 

 

勝利は夜空を見上げたまま言った

 

 

「えっ?」

 

 

勝「今年と変わらない」

 


「そんなわけ…ないよ。だってもう私たちは…」

 


勝「…俺らはさ、まだ始まってなかったんだよ」

 

 

「始まってなかった…?」

 

 

勝「そう。だから今日から始めよう。去年の今日に戻って」

 

 

覚悟していた
勝利の洗練された横顔も、優しい手も、心地いい声も
今日、全部ここに置いて行くんだって


鼻をすすった私に気づいて、勝利がそっと背中に手を回してくれた

 


勝「今日、花火がますます好きになった」

 

 

「…どうして?」

 

 

勝「俺らの代わりに散ってくれた気がするから」

 

 

「らしくないこと…言うね。詩人?にでもなった?笑」

 

 

勝「おいっ!バカにしてるだろ」

 

 

「し、してないよ!笑」

 

 

勝「まーいいけど。すげぇ綺麗だったから」

 

 

「花火?」

 

 

勝「と同じくらい……言わないわ」

 

 

夜空を染めあげた火の花
轟音と共に、心を揺らし彩る夏

 

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#ワンシーンLoveStory

 

 

初恋落日 × Shori

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16歳の夏
3つ年上の彼女
子供のころから思い続けている、初恋のキミ

 



 

愛犬の散歩中、大きな荷物を抱えている彼女に会った

 

勝「あれ…?旅行にでも行ってたの?」

 

「う、ううん。旅行じゃないけど、ちょっと…ね」


気まずそうに目を逸らし、襟を正して首元を隠す彼女のしぐさ
突如、重苦しい胸騒ぎを覚える
なぜなら、ほんの少しだけれども、
首元からひょっこり覗く赤い痕に気づいてしまったから

 


「あっ、チャイちゃん大きくなったね~」


彼女は話を逸らすように、リードに繋がれたチャイに話しかけた
差し出された彼女の腕に走って行こうとするチャイを僕は強く引き戻す

 

戸惑ったような表情を浮かべる彼女

 


「…勝利?」

 


この場で抱き締めて、一瞬だけ僕のものにしてしまおうか?
唇だけ奪ってしまおうか?
告白して今だけは僕の事を考えさせてみようか?


様々な考えがよぎったが


結論は…何もしない


僕には君の笑顔を奪えない
これが僕の愛の伝え方

 


チャイを離して彼女に向かわせる
抱きかかえられたチャイはとても嬉しそうだ
女の子なんだから、ちょっとくらい嫉妬してもいいのに
僕は彼女が好きなんだからね?

 


「じゃあ、またね」


ハイヒールをふらつかせながら荷物を抱え歩き去る彼女を見送った

 

 

 

勝「失恋って辛いな。チャイは俺のことだけ見ててね」

初夏の風がチャイの毛並みを優しくなぞった

 

初恋が実らないのはきっと、世界を広げるためなんだ
だってさ、初恋が叶ったら、もう他の誰かと恋をすることはないんだから

 

 そう自分に言い聞かせ、家までの道を少し遠回りした
先ほどまで顔を覗かせていた夕日は、すっかり地平線の胸元へ抱かれていた

 

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#ワンシーンLoveStory

 

 

メロウナイト × Shori

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「あたしは、好きだから、勝利のこと」

 

ドリンクホルダーに置かれたアイスコーヒーが揺れる

 

勝「…うん。車、出すよ」

 

車内で浮遊する私の気持ち
なかったことにされたのね

 

車も疎らになる深夜1時
彼女の特等席で気持ちを伝えた

私のものになればいいのに

 

右折、左折、ハンドル操作する度に柔軟剤がはじけた
受け取り手が不在の「好き」に華やかさを添えてくれる
彼の償いのようで、とても悲しい

 


勝「次の赤信号で、返事する」

一言だけ呟いて、アクセルを深く踏み込んだ


ひとつ、青
ふたつ、青
みっつ、青

 

はやる気持ちはもう速度オーバー

 

よっつ、青


いつつ…青になったばかり


けれど、先ほどまで全く見えなかった擦れ違う運転手の顔がはっきりと確認できる


バックミラーに視線を移した
後方車は来ていない

 

彼の右足は重みから解放されたようだった

 


黄色…
そして赤

 

 

勝「別れたんだ、俺。だから…」

 


操作されるのもいい
焦らされるのもいい

 

朝日が香り出すまで、もう少しこの夜に閉じ込めておいて

 

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#ワンシーンLoveStory

Mr.Sweet × KENTY

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真夜中の道をもうどれだけ歩いたのだろう

 

29歳を迎えた当日にやってきたのは、

期待していたプロポーズではなく、婚約解消だった

 

今頃は大好きな彼の腕に抱かれて、眠りに落ちているはずだったのに
残念ながら、左手の薬指が幸せな重みで満たされることはなかった

 


「…どうしてよ…っ、どうしてなの…っ、

それに夜こんな寒くなるなんて聞いてないよっ…!ばか!」


泣きながら夜道をフラフラと歩いていると、1台の車が横に止まった
車の窓が開け放たれると、フワッといい香りが鼻を喜ばせた

 

健「ねぇキミ、どこまで歩くつもり?2、3キロ手前のコンビニでも見かけたんだけど」

 

「…し、品川ですけど」

 

健「え?キミ東京の人じゃないの?ここ豊島区だよ?

普通に歩いても3時間くらいかかるよ。

…そのヒールじゃあ、朝になっちゃうだろうね」


その男は車を降りると身に着けていたトレンチコートを脱ぎ、羽織らせてくれた


健「何があったか知らないけれど、キミみたいな美しいレディが真夜中に、
そんな恰好で一人で歩いてちゃダメだ。さぁ乗って」

 

私は普段こんな言葉にほだされたりはしない
知らない男の車なんかに乗ったりはしない

 

でも…今日は、今日だけは誰かに側にいて欲しかった
一人でいたらどうにかなってしまいそうだった
というか、真夜中にフラフラ歩いていることが、
既にどうにかなっていた何よりの証拠なのだけれども

 

それに彼は、直観だけど酷いことをしてくるような人には見えなかった


「ありがとうございます。あのあなたは…?」


健「俺?そうだなぁ、Mr.タクシーとでも呼んでくれたまえ笑

プリンセスを安全にお送りしますよ笑」


「ぷっ笑 Mr.タクシーって!!!」


健「あ、笑ってくれた笑 渾身のボケが救われてよかった笑」


対向車のヘッドライトは、暗闇から美しい横顔を幾度も掬い上げた
その度に、先ほどの絶望感が和らいでいくようだった


健「とりあえず品川方面に向かいますね」


「はい、ありがとうございます」


ところが少し走ったところで、安心して気が緩んだせいか、
今さら晩酌の酔いが回ってきたのか、気分が悪くなってしまった


「あの、すみません。車止めていただいてもよろしいですか。

気分が悪くなってしまって」


健「大丈夫?そこで少し休もう」

彼は目の前のホテルの駐車場に車を止めた

 

「え…あ、あの…?ここ…?」

 

健「このあたり車が多いから、部屋で休んだ方がいいよ。空いてるみたいだし」


…婚約破棄された誕生日に見知らぬ男とホテルって…
私…何やってるの…いいのかな…


健「何?早く降りて?」

 

「いや、でも…その…」

 

車を降りるのを躊躇した

 

健「気分の悪い子を無理やり襲うような男に見えるのかな、俺は?」

 

「………」

 

健「見えるとしたら気を付けないとな。俺、イメージ商売だからさ。

第一印象とか超大事なのよ」

 

「え?意味がよくわからないんですけど…」

 

健「わかんないか…俺もまだまだってことだな。ほら大丈夫だから、おいで」

差し出された手につかまり、車を降りた

 




健「ワンピース疲れちゃうでしょ?バスローブに着替えて」


言われた通りに着替え、ベッドに横になった
彼は浴室からもってきたタオルを冷やし、額に乗せてくれた


「ありがとうございます…すみません。初対面なのにこんなことまでしてもらって」


健「いいんだよ。辛そうな女の子放っておけないよ。

あ、さっきより顔色良くなってきたね」


優しくされて涙が溢れてくる


「…今日、誕生日だったんですけど、婚約者にフラれちゃって…ひっく」


健「うん、そっか…それは辛かったね…」


「笑ってもいいですよ…」


健「笑うよりも先にすることがあるな」

 

「…え?」

 

健「お誕生日おめでとう」

 

びっくりして額のタオルが落下した

 

「あ、あ、ありがとうございますっ…」

感激し、溢れそうな涙を誤魔化そうとした

「あ、あの、ここって何時までですか?明日お仕事は?」


健「大丈夫だよ。起こしてあげるから安心して眠って。
お誕生日のプリンセスを一人にして帰ったりしないから笑」


優しい眼差しが私を包んだ

素性のわからない男とホテルに二人きり
あの時はフラれたショックでどうにかしていた、と言い訳を考え始めていた

 

彼の唇を親指でなぞり「キス…したい」と口に出していた

 

健「素直な女性が好きだよ。キミのような」

そう言って、優しく唇を重ねてくれた


自然と彼の首に腕を回していた
キスは次第に深くなる
彼はバスローブの紐に手をかけた

健「また気分が悪くなったら、ちゃんと言ってね」

優しさに再び涙が出そうになった

 

健「キミの大切な誕生日に、俺と出会ってくれてありがとう。
不謹慎かもしれないけれど、神様のイタズラに感謝してるよ」

 

彼はゆっくりと私に体重をかけた
脳に充満する首筋の香り
女の嗅覚は優れている
必要な遺伝子を匂いで嗅ぎ分けるのだ
あなたの全てを注いで欲しい
私の細胞はそう言っている

 

そして彼は、私のボロボロになった踵にそっと口づけした

健「痛かったね。でももう大丈夫だよ。全部俺にちょうだい」


このまま一生、分離せず、彼の体に溶け込んでしまいたかった
どんなスイーツでも再現できない甘い甘い夜の出来事だった



翌日、優しいキスと優しい腕の中で目覚めた
昨晩の悲劇がすっかり上書きされたような朝


健「おはようプリンセス。お目覚めはどう?」

 

「とてもよいです…ただ」

 

健「ただ?」

 

…昨晩の容赦ない愛され方のせいで、立ち上がれそうにありません…

 

「なんでもないです笑」

 

健「なんだよ笑」

 

「あの…」
きちんとお礼を言おうとして、上半身を起こすと

 

健「全裸で立ち上がらないの笑」と抱き寄せられた

 

「あ、ご、ごめんなさい!」

近くのバスローブに手を伸ばす

 

健「もう一回したくなっちゃうだろ?笑」

と私の首筋にキスを落とした


健「さて、俺はそろそろ行くけど、チェックアウトまでゆっくりしてって。
家まで送れなくて悪いんだけど、駅まで行けばタクシーあると思うから」

テーブルには1万円札が置いてあった

 

「何から何まで本当にありがとう…どうしてここまでしてくれるの…?」


健「俺の仕事は女の子を幸せにすることだから」

 

「女の子を幸せに…?」

 

健「うん」

 

ま、まさか男娼…!?

「お金…お支払いするべきだった!?」


健「ぷっ笑 キミ面白いこと聞くね」

 

健「そうだなぁ…昨晩はキミだけのために用意したステージだから、

お代はキミの笑顔で十分だ。あ、そうだこれ食べて」

 

トレンチコートのポケットからチョコレートのパッケージを取り出した

 

「ありがとう…」

 

彼は手際よく身支度を済ませ、部屋を退出した

その後、名残惜しさを感じながら、私も部屋を後にした

 

 

連絡先を聞けばよかったなぁ、でもさすがに図々しいかなぁと思いを巡らせ、
駅でタクシーを待ちつつ、先ほどのチョコレートを取り出した

 

ガルボ…?」

最後にチョコをくれるなんて、どこまでもスイートな彼だった
一粒口に含む


「んーなんか新触感かも!?」

 


\ああ!やっぱガルボ触感すごいわぁ!/


突如彼の声が聞こえたような気がして、街頭のビジョンを見上げた


\ええ、チョコだよねこれ!?/
\これは、食べてみないと~!/


そこに映っていたのは、間違いなく彼だった


「…う、うそ…!CM!?芸能人!?だったの!?」

 

 
謎多き彼の素性が発覚したので、ライブへと足を運んだ
多くのファンが賑わう会場はすごい熱気だった

曲の間奏で激しいダンスが繰り出される中、彼と目が会った

 

健『マ・タ・ア・エ・タ・ネ』

忘れられない唇は確かにそう形作られていた

 

あの夜の甘さを思い出し、自然とペットボトルに手を伸ばしていた

 

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お時間が許せば、勝利くんの「Mr.Bitter」もいかがでしょうか~

 

 

シンデレラの帰り道 × KENTY

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友達「よーし、んじゃ二次会行くぞー!」

時計を見ると、23:00を回っていた

 

友達「○○ちゃんも行くでしょ?」

 

「うん、もちろん。明日休みだし。どこ行く?」

 

健「いや、お前は帰れ」


「はぁ?なんでよ?健人も行くんでしょ?」

 

健「俺は男だからいーんだよ。お前は女だろ!0時までには帰って寝ろ!」

 

「はぁ?成人してるのに?

ってかなんで健人にそんなこと指図されなきゃいけないわけ?」

 

健「夜中まで酒飲んでると肌荒れるし、マジあり得ないから。俺的には無し!」

 

…俺的にはって、彼女でもないのにさ…

あいつの…健人の女性に対する扱いは色々度を越していると思う
もちろん私だけ特別というわけもなくて…

 

この間のサークルの新歓では、1年生の女子に対して、
「これ以上飲まない方がいいよ。

隙を見せるのは、好きな男の前だけにしなよ」と諭していた

 

王子かよ!あの顔で言うことまで王子なのかよ!?

と陰で聞いていた私は思わず突っ込んだ

 


「もーわかった。帰るよ。健人送ってよ」

 

健「いいよ。んじゃ俺も帰るわ。またな~」

 

そう言って飲み会のメンバーから離れ電車に乗り込んだ

 


健「うっわ。マジ混んでる。お前フラフラすんなよ。こっちこいよ」

 

混雑した車内で腕を掴まれ、出入口の角に押し込められる
健人は私がつぶれないように、手すりで必死に堪えていた

それでも私は、もっと混めばいいのに…
そしたら健人にくっつけるから、と思っていた

 

願いが通じたのか、次の駅でさらに人が乗り込み、
とうとう私と健人の距離はゼロになった

 


健「ごめん、あと少しだからちょっと我慢して」

 

「うん…」

 

私は下を向いて小さくうなずいた
健人の逞しい胸板に初めて触れた瞬間だった

息苦しいのは混雑のせいじゃない
大好きな健人にこんなに密着してるから


そして次の駅で下車した

 


健「うっわ。マジ混みすぎ。あんな電車女の子一人でぜってー乗せらんないわ」

 

「…ありがと。健人はさ、女の子にはほんと優しいよね」

 

健「まぁね。母親がそういうの厳しかったし。中島家は超レディーファーストだから」

 

「そうなんだ。素敵なお母さんだね」

 

健「…まぁ端から見ればね。俺からしたらただのスパルタよ?笑

ってさ、お前んちここ真っすぐだっけ?」

 

「うん、もうすぐ」

 

健「いや、でもさ、さすがに遠すぎじゃね?もう30分も歩いてるけど」

 

…ヤバ…実は遠回りしたなんて言えない

 

健「シンデレラタイムが終わっちまうぞ~」

 

「0時回ったら、魔法が解けちゃうんだね。シンデレラごっこはおしまい…か」

 

健「そうですよ、シンデレラ。ちなみにこの流れだと、シンデレラを家まで送る俺は馬車か?0時回ったらまさかカボチャ?」

 

「あはははははは!」

深夜の住宅街に笑い声を響かせてしまった


健「笑い事じゃねーぞ。俺は王子がいい!」

 

「はいはい、健人はカボチャより王子が似合うよ笑」

 

健「ったく、当たり前だろ!」

 

くだらないことにいちいち本気になって、
大人なのに子供みたいなところもあって…ほんとかわいい


健「さて、シンデレラ…?

同じところを2週していることに王子の俺が気づいていないとでも…?」

 

「えっ、…気づいてた?」

 

健「普通気づくだろ…なんなんだよお前…」

 

「ご、ごめん…もうすこし一緒にいたくて…」

ってあー!!!言っちゃった!どうしよう!絶対引かれる!
何とか友達の距離を保って2年間やってきたのに!

努力が水の泡だよ!

 

けれど、彼の返答は思いもよらぬものだった

 

健「……俺も笑」

 

「えっ!?」

 

健「ということでシンデレラ、予定変更です。カボチャの馬車がガス欠なので、
シンデレラのお屋敷?じゃねーな、物置?に泊めていただきたいのですが」


「馬車なのにガソリンで動いてたの!?それから人んち物置呼ばわり!?」

ち、ちがう、こんなこと言いたかったんじゃなくて…

つい友達の返答になっちゃうよ…

 

「その、け、健人って私のこと好きだった!?」

 

彼は、少し間を置いて言った

 

「せっかく気持ちを伝えてくれたレディに恥をかかすわけにはいかないだろ」

 

…なんだそいうことか、がっかり

期待させておいて、やっぱり私たちの距離は縮まない

 

健「なんてね笑 お前が鈍感すぎるせいで、俺らの恋愛も遠回りだよ!今みたいに!」

 

「え、うまw」

 

健「感心してる場合じゃないだろ」

彼はそう言って、額をペチッと叩いてきた

 

「痛…なにすんの」

 

私は自分の額に手をあてた
彼はその手をゆっくりどけて、わざと音を立ててチュっとキスした


健「さぁ、本当のシンデレラタイムの始まりです」

 

「え?これから?」

 

健「そうだよ。お前知ってる?本当のシンデレラタイムは寝れないからね?笑」

 

「え、さっき0時までには寝ろって言ったじゃん!」

 

健「俺のシンデレラ以外はさっさと寝ろってことよ」

 

「はあああ?意味わかんない!」

 

もう!!

かっこよくて、気が利いて、賢くて、言葉がお洒落で、優しくて、健人大好き!!

 

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おまけちゃん☆彡

 


「ねー健人ってさ、アイドルやってそうだよね。適職だと思う」

 

健「なんで?」

 

「かっこよくて面白くて女の子をたくさん幸せにできるから」

 

健「そうかな?」

 

「別の平行次元では、健人はアイドルやってるかもね~。なんてね」

 

健「あーパラレルワールドってやつね。おもしれーなー。
ま、でも俺はこっちでいいよ」

 

「こっち?」

 

健「アイドルの平行次元で、お前の妄想世界の健人」

 


おしまい☆彡

 

 

忘れられない花 × ストロベリーキャンドル × 健人

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忘れられない花シリーズ第二弾アップしました。

にて公開中でございます。

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